人生って by bosemi

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「白い巨匠」から(1)

フジテレビFODより

 「白い巨匠」というドラマをご存じだろうか。原作は山崎豊子の小説であり、最初に連載されたのは、なんと1963年と古い(もう凡そ60年も前!)。ストーリーは、簡単に言うと大阪トップの大学病院にて、ある外科の助教授(財前五郎)が、がん手術の腕前で有名になり教授に上り詰める。しかし自分が受け持った1例のがん患者を死亡させてしまい患者家族から訴えられて敗訴する。その直後に財前は末期がんと判明する。自分の専門であるがん手術ができない末期がんから死にゆく財前が、それまでの自分の生き方に対し迷いを生じつつ、最後にはがんで命を落とす、というもの。

 映画化やテレビドラマ化が幾度もなされてきており、有名なのは1966年の映画(主演:田宮二郎)で、テレビドラマで有名なのは2003年のもの(主演:唐沢寿明)である。個人的には唐沢版のドラマはとても好きなドラマの一つであり、最近でも時々再放送されている。

 財前が専門医として自らを貫いていた生き方をしてきて、最後に迷いが生じつつも、その生き方をよしとした。唐沢のセリフに、「真剣にオペをやってきたし、真剣に偉くなりたいと思った。作るなら最高の病院を作りたいと思った。多少手段を択ばないところがあったが、何かを得るためだから仕方がない」、「それがそんなに責められることなのか」、というくだりによく表れていた。また「僕はもう助からんよ」、そして「不安はない、しかし、、、、、無念だ」というシーンは、このドラマでのハイライトであり、唐沢の凄まじい演技に打たれた。

 私はこのドラマに共感し勇気付けられた。財前五郎のように超一流の外科医でもなければ医学部教授でもないが、会社員生活の中で、自分なりに信念を通して厳しく業務にあたってきたつもりである。そうしないと成果を出すことも人の役にも立てないと思ったからであった。理解されなくても、それで嫌われてもよいとの思いであったが、反発を受けることもあった。財前五郎の友人の内科医は優秀な医者であったが、財前とは違い人当たりもよく、患者からも慕われる医者である。もちろんそのような生き方もあろうが、私は自分を財前と重ねてしまう。

 何度も見たいドラマであり、飽きることなく繰り返しみてしまう。色んなシーンが思い出されるが、それはまた後日に。では今日はこの辺で。 by bosemi